ビル・エヴァンス インタビュー♪

貴重なビル・エヴァンスの貴重なインタビューもあったので、ご紹介します。

「事柄を明白にし、現実に直面し、それを分析する力を持つ。それが何より大切だと僕は思う。」

「どんな分野でもその道で成功した人は、最初から現実を見る目を持ち、困難に立ち向かう時は、一歩ずつ進み、学びの過程を楽しむ術を知っている。」

「要は何をもって満足とするかが問題なんだ。単純でも本物であれば、派手さはなくても満足感は十分に得られる。そこから発展させられるんだ。基本さえしっかりしていればね。高度の奏法を漠然と真似たところで、そこからの発展は望めないということさ。」

(ジャズもエレクトリックになりましたね?の質問に対し)
「それだけが重要なことじゃない。現代的でギミックのある音を出しているにすぎない。新しい技術を使ってすごい作品を作っても、実際に楽器を弾くのは人間なんだ。良い音楽に必要なのは、音楽の裏側にあるハートだ。結局電気的なものとは、楽器や録音技術の新たな進歩にすぎない。ハートと才能こそがジャズには必要なんだ。」
「仕事から学ぶことの方が多かった。ハーモニーの変え方とか、メロディの作り方とか、ハーモニーを覚えて譜面なしで弾くこととか、覚えたハーモニーをどう変えるかとかをね。ジャズを弾くために何が必要かと言うと、技術的に困難なところを個別的に取り上げて、根気よく集中的に練習を重ねることだろうと思う。そのことが気にならなくなるまでね。それができたら、次の困難なところに移ってそれを克服する。もちろん僕もそうやってきた。」

「長いキャリアだが、それでも28歳頃になって、やっと自分を表現できると思えるようになったんだ。楽器を使って感情を自由に表現できるとね。」

「たとえどんなに弾く気になれない時でも、舞台に上がったら、たちまちシャンとなる。」

「たとえ仕事がなくても、とにかく弾き続けよう。そうすれば、いつか誰かが認めてくれる。それが僕の生き様だ。決してゴリ押ししない。」

「手を広げすぎると、どうしても目が届かなくなる。例えば戦争と飢餓と貧困が同時に襲ってきた時、人間として何をすべきか。とてもすべては面倒見きれない。そこで、自分の力を最高に発揮できる分野を選ぶんだ。そこで全力を尽くせば、その力が他の分野に波及して全体が改良される。だから僕が音楽に自分の持てる力をすべて注げば、僕が望むような波及効果が必ず出ると思うんだ。」

「本気でジャズをやる気なら自分で学ぶしかない。ジャズプレイヤーは、自分の感性で取捨選択すべきなんだ。」

「自分で発見しないと、何事にも興味は持てない。生徒だって与え過ぎるとやる気をなくすものだ。」

「自分で発見する喜びを、兄さんから取り上げたくない。」

「僕は他の人ほど天分に恵まれなかったが、それが幸いした。技術を磨くのに苦労するうちに、分析力がついたんだ。かえって物事がはっきり見える。困難にぶつかった時の対処の仕方とか、克服するのに要する時間はどのくらいかとか、苦労をすればそれだけ得るものがあるのに、人は困難の大きさにすら気がつかない場合が多い。簡単に克服できないとなると、能力がないと決め込んで、努力することをやめてしまうんだ。だが、困難の理由さえ分かれば、克服の過程が楽しくなる。そういう生き方ができた僕は本当に運がいいんだ。」
人並外れた知性、感性、創造性、柔軟性、忍耐力を持ちながら、常に地道に、一つ一つの発見を喜び、味わいながら、真摯に生きてきた芸術家なんだなと改めて感じました。

ありがとう、ビル・エヴァンス。

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