佐藤雄紀 ラヴェル・リサイタル 曲目紹介⑥♪
クープランの墓(1914-1917)
『クープランの墓』は6曲からなる組曲で1914-1917年に作曲され、マルグリット・ロンにより初演された。ラヴェル自身「クープランその人というよりむしろ18世紀のフランス音楽全体に捧げるオマージュ」として作曲したと述べている。この曲が着想された1914年の夏は第一次世界大戦前夜からフランス参戦にかけての時期であった。各曲は大戦で戦死した友人たちに捧げられた。後に前奏曲、フォルラーヌ、リゴードン、メヌエットはオーケストラ編曲された。
第1曲 前奏曲
絶え間ない16分音符の動きを持った無窮動風の前奏曲である。
第2曲 フーガ
女声合唱のような清らかさを持つ美しい3声のフーガである。
第3曲 フォルラーヌ
フォルラーヌとは、イタリア北部のフリウリ地方の伝統的な舞曲である。ラヴェルはクープランの『王宮のコンセール』のフォルラーヌを手本にした。曲集の中でも最も新しく複雑な和声を持っている楽曲である。
第4曲 リゴードン
リゴードンとは、南フランスのプロヴァンス地方を起源とする2拍子の活気に満ちた舞曲である。
第5曲 メヌエット
フランス発祥の3拍子の舞曲で、穏やかな舞曲である。
第6曲 トッカータ
トッカータとは技巧的に華やかな楽曲のことで、この曲も例外でなく組曲の最後を飾るにふさわしいヴィルトゥオーゾ向きの作品に仕上げられている。反復音、狭い音域での手の重なり合い、素早い和音の跳躍などと共に、美しいメロディも響き渡る。ラヴェル自身も「サン・サーンスのようだ」と言って喜んでいたようである。
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