佐藤雄紀 ラヴェル・リサイタル 曲目紹介②♪

亡き王女のためのパヴァーヌ(1899)

『亡き王女のためのパヴァーヌ』は1899年に作曲され、1902年にリカルド・ビニェスにより初演された。パヴァーヌとは16-17世紀に流行した宮廷舞踏で、貴族が舞踏会場に入場する時などに使用された優美で荘重なゆっくり歩くようなダンスである。ラヴェル自身は「かなり貧弱な形式」「シャブリエの過度の影響」とこの曲を評しているが、11年後にオーケストラ編曲も行い、生涯を通じてピアノで演奏したり、指揮をしたりしている。「死んだインファント(スペインの王女の称号)」を意味し、韻を踏んだ表現(インファント、デファント)が選ばれている。ラヴェルによると、この題名は「亡くなった王女の葬送の哀歌」ではなく、「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」だとしている。歴史上の特定の王女に捧げて作られたものではなく、スペインにおける風習や情緒に対するノスタルジアを表現したものだとされる。ラヴェルの若い頃に書かれた美しい作品である。





チケットはこちらからお申し込み下さい🎫

0コメント

  • 1000 / 1000