四百字のデッサン♪

野見山暁治先生の「四百字のデッサン」届きました。野見山先生は、彫刻家の佐藤忠良先生の本に出てきたり、先日訪れた無言館の創設に関わってらっしゃったり、大切な友人の先生の先生だったり…なんと来月100歳を迎えられるそうです。


(最近いい絵が生まれないのは)

「見る力が落ちているからだろうか」「あの南宋の水墨画を描いた人たちは、どういう暮らしをしていたんだろう。じっと何年も同じ対象を見つめ、その中で生涯に何枚かの絵を描いたのじゃないだろうか」


「自分の課題があって、毎日それに向かっている。今描きたいと思っているのは、川一面に鳥が密集している。水面が見えないくらいに密集している。何かの気配でいっせいにばぁーっと飛び立っていく。その飛び立ったあとの川の静けさみたいなものを描きたい。それにはどう描いたらいいのか?何もない川を描いても、今までいた鳥たちが飛び立ったあとの静けさは表現できない。"たくさんいたけれど、今はいない、何の音もしない"というのが描きたいですね」


野見山先生の言う「見る」について考え続けていきたい。初めてその対象を見たようなまっさらな気持ちで描くことと、今初めてその音楽が生まれたような瑞々しい演奏との共通点についても。

0コメント

  • 1000 / 1000