ハッピーバースデイ、ラヴェル♪

第一次世界大戦中、フランスで「敵性音楽を排除しよう」という運動が起き、それを推進するフランス音楽防衛国民同盟(サン=サーンスを始め80人のフランス音楽家が署名)から参加を求められたとき、ラヴェルは戦地からこう返事を出しています。


「フランスの作曲家にとって、外国の作曲家の作品を組織的に無視し、それによって一種の国家的な派閥を作るようなことは、危険ですらあります。今これほど豊かな我々の音楽芸術も、たちまち退歩し、型にはまった定式化によって孤立してしまうでしょう。私にとっては、例えばシェーンベルクがオーストリア国籍であることは、どうでも良いことなのです。そのようなこととは全く関わりなく 彼は非常に素晴らしい音楽家であり、その非常に興味深い発見は、われわれにも有益な影響を及ぼしているのです。・・・このように、みなさんと私の見解は大きく異なっているので、参加することは出来ないと、ご理解戴けるものと思います」


人々が熱狂している時に冷静な視点を持っていたラヴェル。

熱狂は描いてもその渦の中には決して入らず、毅然と自らの考えを表明したラヴェル。


それは彼の音楽性にも非常に通じるところがあるのではないかと、ちょうどロビーコンサートでお話させて頂きました。ハッピーバースデイ、ラヴェル🎂

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